ザリガニ・ウーパールーパーの世界

現在流通されながら絶滅が危惧されている「甲殻類・有尾類」の繁殖ブログ

水質判断におけるケンミジンコの重要性

 

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ケンミジンコはミジンコと違う?

 

SNSでミジンコが増えているから「いい環境」とミジンコを水質の判断材料にしているキーパーが多いですが、ただ一つの括りで「ミジンコ」と言うだけで、水質を判断しては危険です。実は、ケンミジンコとミジンコは分類や生態が異なる微生物です。

 

SNSで水質が良いと間違って認識されているミジンコがケンミジンコ。ケンミジンコは通常のミジンコと同じ節足動物ですが、体前部は楕円形で後端は二股になって、第一触覚は長く横に張り出しています。どちらかというとカブトエビみたいな姿をしています。また、日本の田んぼで春になると発生するミジンコの多くはタマミジンコという種類で、ケンミジンコは「顎脚綱」でミジンコは「鰓脚綱」です。

 

ja.wikipedia.org

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ケンミジンコは肉食性

 

基本的にきれいな水質にいると認識されているミジンコは植物性プランクトン等を主食として成長・繁殖します。

 

逆に…

 

上記で紹介したケンミジンコは肉食系で、動物性プランクトン等を食べて繁殖します。

 

 

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ケンミジンコの主食はインフゾリア

 

ケンミジンコは動物性プランクトンを食べて繁殖しますが、そのインフゾリアとはゾウリムシ等の動物性プランクトンの総称で淡水の止水域に多く生息します。小さな水槽での止水域は嫌気性バクテリアが大量に発生して水質悪化や病原菌の温床になってしまいます。

 

そして、ミジンコとよばれているタマミジンコ等の種類は、基本的に植物性プランクトンを好みますので室内に置かれている水槽ではクロレラ等を添加しない限り植物性プランクトンを増やすのは困難だと思われます。参考までに、タマミジンコは水質悪化するとオスが出現して休眠卵を産みます。またオオミジンコは水質悪化に強く休眠卵も生みにくく、繁殖しにくいミジンコです。

 

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ザリガニ飼育にはミジンコは不必要?

 

ミジンコを繁殖させると植物性バクテリアや動物性バクテリアを減少させる事ができ、メダカやベタの稚魚の餌としてもインフゾリアやミジンコは活用できます。

しかし、ザリガニ飼育では意図的にミジンコ等を導入するメリットは多くありません。

ミジンコの餌となる動物性バクテリアも動物性バクテリアも意図的に添加・増殖させる行為は手間やコストも掛かり、ザリガニ飼育にはあまりおすすめしません。

 

 

ケンミジンコが湧いている環境は汚れている?

 

ケンミジンコが湧いている環境は、ラッパムシやゾウリムシなどのインフゾリアが爆殖している止水状態で嫌気性バクテリアや病原菌が発生して異臭がします。

 

嫌気性バクテリアは酸素を必要とせず分解や増殖ができる細菌です。酸素が少ない止水域等で増殖しますが、酸素があっても生存することができます。

 

 

まとめ

  • ミジンコには多数種類があり、植物性と動物性二つの食性に分かれる
  • ケンミジンコは止水域に発生するインフゾリアを食べる
  • 止水域は嫌気バクテリアや病原菌の温床になる

 

 

ミジンコ等の販売目的、環境の正当化等の情報がSNSにはたくさん存在します。

水槽にケンミジンコが発生したら止水域や餌のあげ過ぎなどに注意して飼育をすると快適な環境になると思います。

 

 

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